研究課題/領域番号 |
13640138
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
数学一般(含確率論・統計数学)
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
斎藤 明 日本大学, 文理学部, 教授 (90186924)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 閉包 / 因子 / 次数和 / Ryjacek閉包 / factor-critical / extendable / ハミルトン閉路 / 拡張可能性 / グラフ / 2-因子 / 閉路 / 最長閉路 / 最長パス / 内周 |
研究概要 |
本研究は、従来主にハミルトンサイクルの研究において使われてきた閉包という手法を、因子理論に適用することにより、新しい知見を得ることを目的とした。研究の結果、以下の成果を得た。 ・2部グラフ上で指定された辺を含む2-因子の存在を保証する、新しい次数和型の十分条件を得た。 ・クローフリーグラフのRyjacek閉包の構造を明らかにした。特に、Ryjacek閉包が位数nの完全グラフとなるグラフには位数nのサイクルが存在することが分かった。 ・3-連結グラフの最長サイクルと最長パスの位数の差が1以下となるための次数和に関する十分条件を求めた。 ・k-factor-criticalグラフにおいては、ハミルトン性を保証する次数和条件を大幅に緩和できることを明らかにした。 ・上と同様に、k-extendableグラフにおいて、ハミルトン性を保証する次数和条件を大幅に緩和できることを明らかにした。 ・グラフGがl-extendableとなるための、交互道型の必要十分条件を得た。またそれを用いて、グラフGがl-extendableであるか否かを判定する0(|E(G)|^2)のアルゴリズムを開発した。 ・2部グラフは「すべてのサイクルの長さが偶数であるグラフ」と特徴付けられる。そこでこの概念を拡張して、自然数n,kに対して「すべてのサイクルの長さがmod nでkと合同である」グラフのクラスを決定し、n=2かつk=0(すなわち2部グラフの場合)以外の場合にはその構造が貧弱であることを示した。 ・k-factor-criticalグラフに関して閉包がどの程度有効に働くかを調べ、Ryjacek閉包はハミルトンサイクルの場合とほぼ同程度に有効な手法となり得ることを示した。 ・2部グラフ上で指定された頂点を含む2因子の存在条件を調べた。この成果の概要の初めに述べたものと問題設定は極めてよく似ているが、得られる条件は全く異なる、という極めて興味深い結果を得た。 以上のように、2年間の研究期間の間に多くの興味深い知見を得た。
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