研究課題/領域番号 |
13640150
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎解析学
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
曽我 日出夫 茨城大学, 教育学部, 教授 (40125795)
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研究分担者 |
川下 美潮 広島大学, 理学研究科, 助教授 (80214633)
田中 靖夫 茨城大学, 教育学部, 教授 (30007520)
海津 聡 (海津 聰) 茨城大学, 教育学部, 教授 (80017409)
伊東 裕也 電通大学, 電通学部, 助教授 (30211056)
中村 玄 北海道大学, 理学研究科, 教授 (50118535)
野崎 英明 茨城大学, 教育学部, 助教授 (60208337)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 波動方程式 / 弾性方程式 / 散乱理論 / 波の反射 / 偏微分方程式 / 双曲型方程式 / エネルギー減衰 / 逆問題 / 弾性波 / 漸近解 / 反射 / 数理物理学 |
研究概要 |
本研究の当初の目的は、広くひろがっている媒質内に部分的に異種な物質があるとし、その中を伝わる波の散乱現象に対して次のようなことを行うことであった。 a.この散乱現象を取り扱う数学的枠組み(散乱理論)を集約整理し、それぞれのタイプごとの特徴や相互の関係を考究するとともに、本研究に関わりの深い未整備な部分については新しく散乱理諭を構築する。 b.整備された枠組みのもとで具体的な諸問題を研究する。特に、工学的にも興味深い散乱を対象として、散乱波から媒質内の具体的な情報を引き出す逆問題を研究する。 これらについて、以下に述べるように、概ね当初の期待通りの成果を得ることができた。 aに関して:波動方程式の散乱の一般理論は、大きく2つタイプ(Lax-Phillips型とWilcox型)に分類できる。本研究の大きな成果の一つは、両タイプの特徴を整理集約し、それらの相互関係を明らかにしたことである。すなわち、ある公式によって両者は相互に変換できることを証明した。また、半空間において弾性波の具体的な問題を考える上で基礎となる散乱理論をつくることができた。さらに、半空間における弾性体の全反射波には必ず特殊な波が発生していることを、かなり一般的な設定のもとで証明することにも成功した。 bに関して:弾性体の媒質中に空洞があるとして、それによる反射波を極めて具体的に表示することに成功した。この表示は、空洞内に液体が詰まっているかどうかを判定するのに使えるものである。さらに、不連続な弾性波が全反射するとき、その反射波を漸近的に表すことができた。これらの証明にはaで得られた結果が出発点になっている。また、弾性波の一種で古くから注目されているRayleigh波のエネルギー減衰について非常に精密な分析を行った。この結果により、Rayleigh波はエネルギーの意味でも境界に集中していることが明らかになった。
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