研究課題/領域番号 |
13640151
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎解析学
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
下村 勝孝 茨城大学, 理学部, 助教授 (00201559)
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研究分担者 |
西尾 昌治 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90228156)
鈴木 紀明 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (50154563)
堀内 利郎 茨城大学, 理学部, 教授 (80157057)
安藤 広 茨城大学, 理学部, 助手 (60292471)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 熱方程式の解を保つ変換 / caloric morphism / Appell変換 / 熱方程式 / 多重熱作用素の解 |
研究概要 |
本研究の目的は、熱方程式の解を保つ(熱方程式の解を再び熱方程式の解に写す)変換を、「変換の形を具体的に決定する」をキーワードにして調べることである。本研究では、多様体の場合に大きな進展があった。得られた新たな知見は次の通りである。 多様体の間の熱方程式の解を保つ変換について、1.半リーマン多様体の間の熱方程式の解を保つ変換の特徴付けを、リーマン多様体の場合を含む形で与えた。 2.半リーマン多様体の場合に、時間変数の変換と空間的拡大率が空間変数に依存する例を発見した。 3.半リーマン多様体の場合に、時間変数の向きが逆転する例を発見した。 4.1〜3の結果により、熱方程式の解を保つ変換の性質の中で、「時間変数の変換と空間的拡大率が空間変数に依存しない」ということと、「時間変数の向きが保たれる」とは、多様体のラプラシアンが楕円型であることによることが分った。 5.多様体の張力場との関係を調べ、重み付き張力場を考えれば、熱方程式の解を保つ変換の特徴付けの方程式が、張力場による熱方程式と同じであることが分った。 6.Appell変換を、半ユークリッド空間の場合にも拡張した。 7.次元が等しい半ユークリッド空間の間の、熱方程式の解を保つ変換の形を、具体的に完全に決定した。結果は、双方の空間の計量の型が同じまたは反対でなければならず、変換は全て、相似変換と、Appell変換と、反転との合成で書ける、というものである。 8.リーマン多様体の具体的な場合として、原点を除いたユークリッド空間の動径方向リーマン計量の場合には、次元が3以上ならば平行移動を含む変換が存在する計量は3種類のみであることが分り、その具体的な表示も得られた。これは一般の回転不変なリーマン計量に関する熱方程式を保つ変換を決定する際の重要なステップとなる。 9.半リーマン多様体の具体的な場合として、原点を除いた半ユークリッド空間の動径方向リーマン計量に関する熱方程式を保つ変換を調べ、Appell変換の直接の拡張の場合に、ほぼ形を決定することが出来た。これも一般の場合の手掛かりになると期待される。
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