研究概要 |
B={P_j : j=0,±1,±2,...}をバナッハ空間X上の有界線形射影作用素の基本的で完全な直交列とし,各非負の整数nに対して,M_nは{P_j(X):|j|【less than or equal】n}で生成されるXの線形部分空間を表す.τ^*_nをXからM_nの上への有界線形射影作用素の族とし,SはXからそれ自身への有界線形作用素とする.このとき,適当な付帯条件の下で,Bに関するフーリエ級数Σ^∞_<j=-∞>P_j(f)(f∈X)の第n部分和作用素S_n=Σ^n_<j=-n>P_jがSのτ^*_nに関する最良近似であること示した.また,X上の周期型強連続な作用素群τに関する合成積型作用素の凸1次結合による近似精度をτに関する連続率によって評価し,一般化されたロゴシンスキー作用素による近似の順および逆定理を確立した.さらに,これらの結果をBによって誘導されるマルチプライヤー作用素の最良近似および古典的な関数空間を含む斉次バナッハ空間の場合へ応用した. 距離空間からXの中に値を取る有界な連続関数の空間において,積分作用素を導入し,それによる近似定理とコロフキン型の収束定理を確立した.さらに,これらの結果を補間型作用素および合成積型作用素による近似法へ応用した.典型的な近似核は,ガウス・ワイヤーシュトラス核,ピカール核,ブイ・フェドロフ・セルバコフ核,ランダウ核,マメドフ核,ドラバレ-プッサン核などである. 距離空間上の有界な実数値連続関数のつくるバナッハ束において,正線形作用素から成るネットの収束性に関するコロフキン型の近似定理を確立し,その収束精度を被近似関数の連続率とテスト関数系によって誘導される高次のモーメントを用いて評価し,精密化した.さらに,これらの結果を高次元のベルンシュタイン作用素,サース作用素,バスカコフ型作用素,マイヤーケーニッヒ・ツェラー作用素による近似精度の評価へ応用した.
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