研究分担者 |
小松 孝 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80047365)
佐官 謙一 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70110856)
正岡 弘照 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30219315)
鈴木 紀明 京都産業大学, 理学部, 教授 (50154563)
下村 勝孝 茨城大学, 理学部, 助教授 (00201559)
今吉 洋一 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30091656)
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研究概要 |
放物型方程式に関し,以下に記述する成果を得た: 1.分担者鈴木は,Neil Watsonとの共同研究により,熱方程式の解が満たす平均値の性質に注目し,逆問題である熱球の特徴付けおよび平均値の密度関数に関する成果を得た. 2.(1)分担者佐官は,複素平面の単位円上の調和かつ擬等角な写像に対して,Heinzの成果を漸近的に精密な形に改良した.またSchwarzの補題についての考案も与えた.(2)分担正岡は,Heinz型被覆リーマン面に対し,ミニマルマルチン境界が擬等角不変であることを示した. 3.分担者正岡は,上記2(2)に加えて,Heinz型被覆面上の種々の調和関数の族が射影によって不変であるための必要十分条件をマルチン境界を用いて記述した. 4.(1)代表者西尾と分担者下村は,共同研究により半リーマン多様体上のcaloric morphismを特徴づける微分方程式を得た.またこれを半ユークリッド空間に応用し,次元が同じ場合のcaloric morphismをすべて与えた.(2)分担者下村は,(1)の結果をもとに,半ユークリッド空間上の等角計量に対し,ある条件のもとcaloric morphismの分類を与えた. 5.分担者下村は,多重熱方程式の解を保つ変換について研究し,空間の次元が同じ場合は本質的にAppell変換に限ることを証明した. 6.代表者西尾は,分担者の下村,鈴木との共同研究において分数ベキの放物型方程式を関数解折的にとり扱う基礎研究を行い,放物型ベルグマン空間に関する基本的結果(完備性,再生核,双対空間)を得た.
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