研究課題/領域番号 |
13640194
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎解析学
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
國田 寛 南山大学, 数理情報学部, 教授 (30022552)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | マリアヴァン解析 / レビー過程 / マルチンゲール表現 / 同値マルチンゲール測度 / 数理ファイナンス / 確率微分方程式 / 確率解析 / 確率分布 |
研究概要 |
ウイナー空間上のマリアヴァン解析は1980年代にマリアヴァンによって創められたが、その後多くの研究者の努力によって精緻な理論が構築されている。その結果はウイナー過程に基づく連続な確率微分方程式に応用され、方程式の解の分布の滑らかさについて注目すべき結果が得られている。しかし飛躍のある確率微分方程式の研究には従来のマリアヴァン解析の理論は適用できない。ランダムな飛躍を規定するポアソン空間(ポアソンランダム測度)についての解析が必要になる。本研究ではウイナー空間とポアソン空間の直積空間上にマリアヴァン解析の理論を展開し、その結果を飛躍のある確率微分方程式の解の分布の滑らかさについて新しい結果を得た。その研究途上において愛媛大学の石川保志の協力を得ており、結果は同氏との共著論文としてまとめた。 さらに、飛躍のあるレビー過程によって生成される確率空間のマルチンゲールの構造を研究し、その結果を数理ファイナンスの問題に応用した。株価の変動を記述する確率過程(価格過程)が飛躍を持つとき、市場は完備ではなくなる。そのためリスク中立確率(同値マルチンゲール測度)が一意に定まらず、一般に無限個存在する。またオプションなどの条件付請求権は必ずしも複製可能とは限らず、その価格を一意に定めることはできない。本研究ではすべての同値マルチンゲール測度のもとでマルチンゲールとなる確率過程は割引価格過程に基づく確率積分で表現できることを示し、そのことを用いて条件付請求権の上限価格と下限価格を定めた。
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