研究概要 |
(i)磁場の効果を含むGinzburg-Landau方程式の非自明な安定解の存在について研究した.3次元の非一様な薄膜領域においてパターン形成が起こることを示した.さらに3次元問題が薄さの極限においてどのような2次元の問題に還元するかを特徴付けた(神保森田).2次元の問題においては凸領域においてパターン形成が生じないことを証明した(神保,P.Sternberg). (ii)磁場の効果をもたないGinzburg-Landau方程式の時間発展問題において特異極限が繰り込みエネルギーの勾配系(ODE)に収束することはF.H.Lin, Jerrard-Sonerらによって研究されボルテクス運動が得られたが,我々はノイマン問題において勾配系のさらに簡約された表現を得た.また、具体的な円板,凸領域でのボルテクス運動をこのODEを通して調べた(神保,森田). (iii)領域変形とラプラシアンあるいは不連続係数をもつ2階楕円型作用素の固有値摂動を研究した(神保小杉). (iv)Allen-Cahn型の変分問題(ギンツブルグ・ランダウ型)エネルギーにおいて境界形状に関する条件のもとで相転移界面の研究し進展を見た(利根川). (v)異方的な効果をもつ界面発展方程式を研究し成果を上げた(利根川). (vi)極小曲面,また,波動方程式に関する自由境界問題を研究し解の正則性や境界の解析を行った(小俣). (vii)双曲型のギンツブルグ・ランダウ型方程式について解を解析した.特にボルテクスの運動を調べた.この過程で数値計算を行い具体的な解の知見を得さらなる課題の探求を行った.また,その偏微分方程式について離散勾配流の方法を適用した.そいて他の数値計算法に対するアドバンテージを調べた(小俣).
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