研究課題/領域番号 |
13640207
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
大域解析学
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
鵜飼 正二 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (30047170)
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研究分担者 |
塩路 直樹 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 助教授 (50215943)
平野 載倫 (平野 維倫) 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 教授 (80134815)
今野 紀雄 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (80205575)
森本 浩子 明治大学, 理工学部, 教授 (50061974)
谷 温之 慶応大学, 理工学部, 教授 (90118969)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | Boltzman-Grad極限 / Cauchy-Kowalevskayaの定理 / Boltzmann方程式 / 流体方程式 / 多重スケール解析 / 漸近解析 / 境界層解 / 可解性条件 / 半無限空間境界値問題 / 境界層 / 定常解 / 漸近安定性 / Milne問題 / BBGKY Hierachy / Boltzmann-Grad極限 / 抽象的Cauchy-Kovalevskaya定理 / 半無限空間定常問題 |
研究概要 |
1.Boltzmann-Grad極限の一様評価の導出:多数の粒子からなる系のNewtonの運動方程式において粒子数Nと粒子半径rを積Nr^2(全粒子表面積)=一定という条件のもとで2種のスケール極限N→∞,r→0を取るとBoltzmannが得られる。この収束はO.Lanford(1975)によって数学的証明が与えられた。その証明ではNewton方程式の解のN, rに関する一様性が最も重要である。本研究で、この評価は、いわゆる抽象的Cauchy-Kovalevskayaの定理により、より精密な評価が得られること示した。 2.Boltzraann方程式の境界層問題の可解性条件の研究:最も基本的な境界層解は半無限空間の境界値問題の解である。この問題は無限遠における境界条件が過剰決定系になり、無条件では解けない。領域境界での境界値がある制約条件を満たすときのみ解が存在することを初めて証明した。さらにその制約条件の個数は、無限遠におけるMach数Mに依存し、M>1ならば5個、0<M<1では4個、-1<M<0では1個、M<-1では0個であることを明らかにした。証明には解の強いa priori評価を用いた。この評価を導くために、ある重み関数とダンピング項を方程式に導入することを考案した。 3.非線形境界層解の安定性の研究:M<-1の場合について、2で得た定常解が時間的に漸近安定であることを証明した。より詳しくは、定常解に近い任意の初期条件にたいして、時間的大域解が存在し、時間舞限大で定常解に指数関数的に収束することを証明した。証明には線形化方程式の解が時間無限大で指数関数的に減衰することをエネルギー評価法により導き、これより非線形発展方程式め積分方程式形式に縮小写像の原理より、漸近安定性を導くことができた。 4.流体方程式の漸近理論:多様な流体方程式族の相互関係を明らかにするための多重スケール解析に重要な解の一様評価と収束を、1.で導入したCauchy-Kovalevsakayの定理に基ずく手法により統一的に導くことを試みた。イタリアの社団法人CIME, Center of International Mathematical Summer School,が2003年9月にイタリア南部のMartina Francaで開催した夏の学校の講師に招待され、これに関する集中講義を行った。
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