研究課題/領域番号 |
13640235
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
天文学
|
研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
小出 眞路 富山大学, 工学部, 助教授 (20234677)
|
研究分担者 |
柴田 一成 京都大学, 理学部, 教授 (70144178)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | ブラックホール / 宇宙ジェット / 活動銀河核 / マイクロクエーサー / ガンマ線バースト / 一般相対論的電磁流体力学 / 空間の引きずり効果 / エルゴ領域 / 相対論 / 電磁流体力学(MHD) / ブラックホー / 宇宙ジェツト / 閉じた磁力線 / 磁場 |
研究概要 |
クエーサ・活動銀河の中心核や銀河系内の連星系そして最近ガンマー線バーストにおいて相対論的ジェットが観測されている。これらの相対論的ジェットはブラックホールの極近傍の激しい現象により形成されると考えられているが、その具体的機構は不明である。われわれは磁場による相対論的ジェットの形成機構を解明するために一般相対論的電磁流体力学(GRMHD)計算コードを開発しその解明を進めてきた。 本研究課題採択初年度にはカーブラックホール、希薄な一様プラズマ、非常に強い一様磁場からなる系のGMRHD数値計算を行った。この計算結果によりブラックホールのエネルギーが磁場を介して引き抜かれ放出されることを示した。この結果は科学雑誌サイエンスに掲載され、また米国NASAのホームページのトップを飾るなど一般の方々の興味を引き付けた。しかし、この一様磁場の場合は強力なエネルギーがブラックホールから放出されるもののほとんど全てのプラズマがブラックホールに落下しておりジェット形成の兆候は見られなかった。その後、放射型磁場とプラズマ近傍の電流ループの作る磁場の計算を行った。その結果光速の90%以上の速さのアウトフローが形成されることを示すことに成功した。特に、電流ループ磁場においてエルゴ領域と降着円盤をつなぐ磁束管(磁気的橋)がある場合、磁気的橋は時空の引きずり効果により急速にねじられ、急激に高まる磁気圧によりその付近のプラズマを相対論的速度で吹き飛ばすことを示した。この相対論的アウトフローはいずれ磁気張力により絞り込まれ相対論的ジェットになると考えられる。すなわち、回転するブラックホールのエルゴ領域と降着円盤をつなぐ磁気的橋は安定であることはできずに爆発的膨張をし、それが相対論的ジェット形成に直接つながっていると考えられる。
|