研究課題/領域番号 |
13640246
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
比田井 昌英 東海大学, 総合教育センター, 教授 (90173179)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 金属欠乏星 / 分光学 / 銀河系 / 化学組成 / 元素合成 / 化学進化 / 種族III / 元素組成 / 恒星大気 / 銀河系進化 / 銀河系形成 |
研究概要 |
当該研究期間において、研究代表者の金属欠乏星に関連する研究成果は、多岐にわたるが、以下にこれらの主要な成果の概要を述べる。 1.α元素に関して、酸素、シリコン、硫黄、カルシウムの振る舞いを調べた。酸素については予備的結果として、これまで金属度減少と共に増加傾向を示すと考えられていた三重線組成が、平坦な傾向を持つことを明らかにした。シリコンとカルシウムについては、振る舞いが相関していて、運動学的に3グループに分類できることが判明した。硫黄については、世界で初の大規模標本で振るまいが調べられ、2002年の論文では金属度減少に対して増加傾向を示すことが主張された。この主張が、2つの欧米のグループによる硫黄研究を誘発し、さらに、我々の2005年の論文を刊行する重要な契機となった。2002年以降の研究で、金属度-1から-4dex領域で平坦な傾向を示すことが判明し、通常の超新星モデルによる化学進化で説明できそうであることが明らかになった。硫黄の化学進化モデルの構築へ、この観測は大きな制限条件を与えている。 2.軽元素のナトリウム、カリウムについての振る舞いでは、ナトリウムは従来とは違う、-1〜-4の金属度で太陽値より系統的に小さい分布をすることを明らかにし、従来の値は過剰計算されていることを示した。カリウムは、金属度減少に対して増加傾向をすることを確認した。リチウムについては、同位体リチウム6の金属度-2.5dexにおける低い上限値を初めて求め、種族IIにおいてリチウム6が保存されていないことの知見を新たに得た。 3.鉄属の亜鉛について、金属度-3dex付近以下では増加傾向の振る舞いを示すことを明らかにし、超新星モデルへの重要な制限を得た。 4.r過程元素については、金属度-3付近の超金属欠乏星標本でその振る舞いを調べた。r過程元素の星ごとの大きな分散を確証し、これらは主にr過程で形成されることを解明した。また、ストロンチウムをバリウム比から、両者を同量程度形成するべき未知の過程の存在を明らかにした。 5.鉄組成が太陽値の-5.4dexで最も少ない星が発見された。銀河系最初期の種族III天体である可能性と、第1世代星の性質に関する強い制限を得ることができた。
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