研究課題/領域番号 |
13640356
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
和泉 真 東京大学, 先端科学技術研究センター, 講師 (80332576)
|
研究分担者 |
村上 洋一 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60190899)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 酸化物薄膜 / 超巨大磁気抵抗 / 軌道秩序 / 共鳴X線散乱 / ヤーンテラー歪み |
研究概要 |
ペロブスカイト酸化物薄膜においてレーザーアブレーション法による試料の作製を行った。基板をSrTiO_3(001)にし、マンガン酸化物R_<1-x>A_xMnO_3(x=0.4)においてAを2価イオンとなるSr、Rを3価イオンとなるLa、Pr、Ndとしたところ、面内格子定数aを基板の格子定数d=3.905Åに固定することができた。 Rは固体中で互いに全域固溶するので混晶を作ることで、Rの平均イオンサイズをLa(大きいもの)からNd(少さいもの)へと連続的に、しかも精密に制御することが可能となった。このとき面に垂直方向の格子定数cはイオン半径と関連する値となり、その結果c/aすなわち格子の異方性をドープ量を保ったままに変化させ、純粋に結晶場の大きさだけを制御することに成功した。薄膜の物性はAサイトがPrより大きい時は強磁性、小さいときは反強磁性とクロスオーバーが起こり、この組成域では全域強磁性体であるバルク結晶とは本質的に異なり、この作製法による物性コントロールが非常にユニークであることが示された。 放射光を用いた実験では共鳴X線散乱が軌道秩序よりはむしろヤーンテラー的な結晶の異方性を見ている可能性が強まり、ほぼ80%程度以上のヤーンテラー秩序から来る寄与が、従来見られていた放射光実験での軌道秩序説はむしろあまり関与していないことが判明した。
|