研究課題/領域番号 |
13640360
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
三浦 裕一 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30175608)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 固体ヘリウム3 / フェルミ固体 / 転位の運動 / 量子効果 / 固体の融解 |
研究概要 |
本研究では最も質量の小さい、即ち最も量子性の強い固体ヘリウム3を研究対象とし、転位の運動を研究した。転位はある臨界値以上の応力が加わるとパイエルスポテンシャルを超えて運動を開始する。この試料固体の大きな特徴は、モル体積を変えて内部ポテンシャルを容易に変化できること、及び超純粋固体を作ることが可能な点である。そのため従来の実験で常に問題とされた不純物による転位のピン止め効果が無視でき、理想的な転位運動の実験ができた。 測定手段として、極めて高感度のねじれ共振器を独自に開発し、転位の運動を精密に測定した。このねじれ共振器は共鳴法のため、従来用いられてきた超音波測定よりもはるかに感度が高いことが分かった。この共振器により、10のマイナス8乗に至る極めて微小な歪率(応力に比例から)10のマイナス5乗までの広い範囲で、固体^3Heの剛性率及び内部摩擦によるエネルギー損失を、同時に精密に求めることができた。そして転位が乗り越えるべきポテンシャルの大きさのモル体積(密度の逆数)依存性を決定した。また、転位網のノードによるピン止め効果が観測された。 更に、固体^3Heの融解する直前の極めて不安定な状態を研究した。本実験で測定された捩れ剛性率は横波に対応するもので、液体には存在しない固体に特有な物理量である。融点近傍においてこの捩れ剛性率の異常が観測され、極めて不安定な状態の存在が示された。
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