研究課題/領域番号 |
13640362
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川野 眞治 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (70027457)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 長周期磁気変調 / 2次元的変調 / フラストレーション / 中性子回折 / 磁気サテライト / TbRu_2Si_2 / DyRu_2Si_2 / 中性子回析 |
研究概要 |
DyRu_2Si_2 初年度2001年度、単結晶によるパルス中性子回折実験により、(1)高温相T_N=29K<T<T_t=3.5Kでは、Q=(2/9 0 0)の1次元的な磁気変調構造であること、(2)中間相T_t<T<T_t'=1.5Kでは、a^*-b^*逆格子面内の低対称ライン上に多数の磁気サテライトを見出した。(3)中間相では磁気単位胞9a×9a×c内のコーナー位置と体心位置のDyイオンが常磁性とするとa^*-b^*逆格子面内の磁気ブラッグ反射の分布をよく説明できることが分かった。このモデルは、1次元的ではなく、2次元的変調構造である。この結果に基づいて、今年2002年度は磁場下パルス中性子回折実験をISIS(英国)で行った。その結果、無磁場での2次元変調が強磁性成分を持った1次元変調となり、さらに強磁性磁化成分が大きくなった異なる2次元変調が2相現われ、最後にはすべてが強磁性となることが分かった。また、このような変調構造の安定性を分子場がq-依存性を持つとすると矛盾なく説明できることがわかった。 TbRu_2Si_2 単結晶による中性子回折実験をこれまでデンマークRisφ国立研究所で続けてきた。その結果、(1)高温相T_N=56K<T<T_t=5Kでは、Q=(3/13 0 0)の1次元的変調構造であることを確認した。しかし、(2)中間相T_t<T<T_t'=4.2Kでは、DyRu_2Si_2の場合と同じく数多くの磁気サテライトをa^*-b^*逆格子面内の低対称ライン上に観測した。(3)このサテライトは、磁気単位胞13a×13a×cのコーナー位置と体心位置のTbイオンが常磁性となる2次元的磁気変調モデルで説明できた。今年2002年度では高エネ研KENSでパルス中性子実験を行い、(4)低温相T<T_t'では、Q=(3/13 1/4 0)で表せるc面内の正方晶構造(磁気単位胞:13a×4a×c)のドメインが存在することがわかった。しかし、中間相で見られたフラストレーションによる常磁性状態は、解消されていると考えられる。 以上の結果をポーランド、クラコフで開かれたヨーロッパ結晶学会(2001年夏)、ミュンヘンでの中性子散乱国際会議(2001年夏)、ジュネーブでの国際結晶学会(2002年夏)およびポールシェラー研究所での中性子およびシンクロトロンX線による凝縮体研究ワークショップ(2002年夏)で発表した。
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