研究課題/領域番号 |
13640381
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性一般(含基礎論)
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
斯波 弘行 神戸大学, 理学部, 教授 (30028196)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 電荷秩序 / 四重極秩序 / 八重極秩序 / 多重極モーメント / 中性子散乱 / CeB_6 / Yb_4As_3 / N_pO_2 / CeB6 / Yb4As3 / 八重極モーメント / 磁場誘起ギャップ / 軌道秩序 / 多重極モーメ |
研究概要 |
本研究での成果は以下の通りである。 ゼロ次の多重極としての電荷秩序の研究:電荷秩序の典型例として知られるYb_4As_3の電荷秩序相において形成される一次元的鎖の性質を理論的に調べ、この一次元的鎖の低音の性質を記述する有効ハミルトニアンを結晶場準位から出発して導いた。その結果、この物質の構造の特異性を反映して、ジャロシンスキー守谷交換項が存在することなどを示すことが出来た。さらに、この物質の励起状態について詳しく調べ、中性子散乱の実験結果に対する解釈を与えた。 二次の多重極としての四重極秩序の研究:四重極秩序の典型例としてはCeB_6がよく知られている。この典型物質についてよく理解することは極めて重要であると考え、CeB_6を中心に研究を進めて来た。CeB_6の平衡状態としての相転移の性質と同時に、四重極相での励起状態がとのようなものであるかは極めて興味がある。10年前にフランスのA. Bouvetによって中性子散乱を用いてCeB_6の励起スペクトルが調べられていたが、当時適切な理論がなく、解釈が与えられぬまま放置されていた。本研究での主要な課題は四重極モーメントのダイナミクスを調べることによってこの問題を解決することが出来ると考え研究を進めた結果、CeB_6の磁場中での励起の理論的研究はほぼ完了した。我々の理論によれば、磁場によって誘起された多重極、特に交替的八重極の存在を考慮して始めて、励起態の適切な理論的記述が可能になるということが分かった。また、実験と比較するため中性子非弾性散乱の散乱断面積を理論的に計算し、Bouvetの中性子と比べると、一致がかなりよいことが分かった。 CeB_6では立方対称性の結晶中のCeイオンの結晶場基底状態がΓ_δ四重項である。このように結晶場の基底準位が四重項である物質が他にもある。TmTe、NpO_2がそうである。これらでは多重極秩序の可能性が高い。このような立方対対称性結晶で結晶場基底状態がΓ_δ四重項である系の相互作用に関して一般的な考察を行った。これは現在印刷中である。
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