研究概要 |
当該課題の下でボース・アインシュタイン凝縮の研究を主として実行した.量子渦の関して秩序変数が一つのスカラーボース・アインシュタイン凝縮(BEC)と平行して変数が複数のスピナーBECについても研究した.前者は^<87>RbのBECの実験に対応して量子渦一本が素に生成されるための臨界回転角測度をBogoliubor理論の枠組の中で計算した.はじめに絶対密度を考察した.著者達が以前から指摘してきた渦の不安定集団励起モードが臨界角速度の決定に重要な役割をはたすことを明らかにした.実に有限温度に計算を進め非凝縮相の存在による上の不安定モードの挙動を調べ臨界角速度の温度依存性を導いた.これらの結果はコロラド大のCornellグループによって行われている渦生成の実験をよく説明する.^<23>Na,^<87>Rbを光学トラップを用いてBECに導いたときF=1のエピナーBECが実現する.これらの系を念頭に三成分系で可能なコアレス渦を考案し,いく種類かの物理的に興味ある渦を見出した.特に超流動^3Heで予言されていたMermin-Ho渦がこれらの現実系で安定に存在しうることを初めて明らかにした.更には回転角速度が大きくなったときの研究も行い,Mermin-Ho渦が格子を組んで安定化することを示した.これらの提案に基づいてMITのKetterleグループが^<23>Naを用いて実験を行いMermin-Ho渦を実現した.
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