研究課題/領域番号 |
13640391
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性一般(含基礎論)
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
中村 勝弘 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50140801)
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研究分担者 |
寺井 章 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20192651)
加藤 岳生 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 講師 (80332956)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | コンダクタンス / 量子ドット / 周期軌道理論 / BEC / 巨視的波動 / トンネル振動数 / 同期軌道理論 / カオス / コンダクタンス=ピーク / 準位統計 / フラクタル / コンダクタンスゆらぎ / 半古典理論 / 非線形動力学 |
研究概要 |
本研究のねらいは、周期軌道を用いた半古典論により、コンダクタンス=ピークの間の相関を考察することであった。具体的に、カオス系量子ドット(スタジアム型のナノビリアードなど)を対象にして、クーロンブロッケードのコンダクタンス=ピークに関する半古典論を展開した。 まず、コンダクタンス=ピークがフェルミの黄金則により、量子ドットとリード線の間のトンネル行列要素と関係していることに着目する。つぎに、半古典極限で、障壁近傍の波動関数の振る舞いを半古典グリーン関数と周期軌道理論で記述する。そして、これを用いて、コンダクタンス=ピーク(つまり、ピークの高さ)の周期軌道による表示をおこなった。結論として、コンダクタンス=ピークについては (1)分布関数の導出 (2)(フェルミエネルギー、電子数あるいは磁場を変調した時の)相関関数の振動構造の導出 (3)ランダム行列理論の結果(Porter-Thomas型の分布関数)への周期軌道理論による量子補正の導出、 に成功した。こうして、ディリクレ型境界条件やソフトなポテンシャル壁をもつ弱磁場および中間磁場下の2次元電子系の半古典論と量子論の比較研究を行う道を切り開いた。 最後に、 (4)BECにおける巨視的波動のダイナミクスを記述するグロス=ピタエフスキー方程式(非線形性シュレーディンガー方程式)を用いて、量子力学で重要な効果である、干渉効果とトンネル効果を解析した。前者については、波束が2重スリットを通過して、分裂した後,干渉をおこして、干渉パターンを形成することを示した。後者については、ダイナミカルなトンネル振動数に着目した。干渉パターンやトンネル振動数の非線形性の強さへの依存性を明らかにし、論文を作成中である。
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