研究課題/領域番号 |
13640446
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
超高層物理学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
藤本 正樹 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (30242811)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 渦乱流 / 磁気圏尾部低緯度境界 / 速度勾配層 / ケルビン・ヘルムホルツ不安定 / 二流体シミュレーションモデル / 有限電子質量効果 |
研究概要 |
本研究は、磁気圏尾部低緯度部分における輸送機構を解明し、従来のものとは独立なプラズマシート生成機構をあきらかにすることを目的とする。この機構は単純なMHDの議論からは、およそ出て来そうにないもので、MHDから電子ダイナミクスが関与するものまで、何桁もの時間・空間スケールに跨った物理の組合せの末に起きている可能性が高い。このようなスケール間結合(cross-scale coupling)による輸送の様相を明らかにするため、電子慣性効果も含んだ二流体コードによるMHDスケールの現象をシミュレーションした。 具体的には、尾部低緯度境界層での速度勾配によって発生・成長する渦をシミュレートし、このMHDスケールの渦が時間発展とともにいかに電子スケールダイナミクスと結合し得るか、を研究した。計算は2次元で行ない、結果は、(1)流れが磁場に垂直な場合、(2)流れの面内に磁場がある場合、で大きく異なる。 (1)、この場合には、渦が巻き込むことで強電流密度が発生し、それが電子慣性による不安定を励起する。これがさらに渦外縁での2次的渦を発生させ、それが元の1次渦の内部で成長することで、1次渦の崩壊が誘導される。 (2)、この場合には、渦によって巻き込まれた磁力線が渦内部で再結合を起こすことが観測された。渦サイズが電子スケールに比べて大きいほど、よりダイナミックで広範な範囲に影響が及ぶことが見られた。 いずれの場合でも、非線形的に巻き込んだ、全体としてはMHDスケールの渦内部で、電子ダイナミクスとの結合がおき、MHDでは現れない新しい効果が発動すること、いずれも大規模輸送現象に寄与する可能性があること、を発見した。
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