配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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研究概要 |
神奈川県の更新統小柴層,宮崎県の鮮新統高鍋層などの湧水性化学合成群集化石を産する産地周辺の詳細な地質調査を行った. (1)日本の化石化学合成群集は陸棚堆積相から普通に産出する. (2)化学合成化石群集の種構成は水深に大きく依存している. 小柴層にボーリングを実施し,以下の点が明らかとなった. (1)化学合成群集とそれに伴う炭酸塩コンクリーションが層理面に垂直に110mに渡って産出した.凝灰岩のFT年代とナノ化石層序(藤岡ほか,2003)から,湧水は極めて狭い範囲(直径が数10m)で少なくとも38万年間以上継続していたことが判明した. (2)化学合成細菌と共生する大型二枚貝化石の密集度とメタン湧水の証拠となる^<13>Cに枯渇した炭酸塩コンクリーション(∂^<13>C=-40〜-60‰)の密度はコア中で大きく変化し,両者の密度の大きい層準が6ヵ所認められた.これを有孔虫の酸素同位体比曲線(氷河性海水準変動曲線)と比較すると,湧水の消長と酸素同位体比曲線のパターンはほぼ同期していることが判明した. 2003年11月に米国シアトルで開催されたGSA(Geological Society of America)の総会において,上記成果につき2件の発表を行った.
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