配分額 *注記 |
4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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研究概要 |
本研究では,中国を中心とした東アジアの中生代植物化石の内部構造を研究し,植物群の記載をもとに,当時の陸上古環境の復元を目指した. 中国においては今まで知られていなかった裸子植物およびシダ類を発見,記載した.裸子植物はソテツ類と古生代のシダ種子類メデュロサ目の特徴を併せ持つ茎であり,裸子植物の進化系統を考える上できわめて重要な位置をしめる化石であることが明らかになった.シダ類は,ゼンマイ科の絶滅属,Ashicaulisに属する新種であった.検討の結果,この属は三畳紀から白亜紀を通してWarn TemperateからWinter Wetの気候帯にしか見られないことが明らかになり,当時の中国東北部の陸上気候を推定する上での指標の一つとなりうることが明らかになった. モンゴルについては,白亜紀前期に存在した古チョイル盆地の植物化石を記載,植生を推定し,これをもとに古生態系の復元を行った.記載された植物は,シダ類,ヒカゲノカズラ類,トクサ類,針葉樹類であり,被子植物は見つからなかった.胞子化石の研究結果や堆積状況に関する研究と,植物化石の保存状態を併せて検討した結果,当時のチョイル盆地は,シダを中心とした草原であり,周囲の丘陵もしくは山地に針葉樹を中心とした森林が成立していた,という植生状態が推定された.また,現在のワラビ草地などをモデルとして当時の草原の生産量を推定し,これをもとに古生態系におけるエネルギーの流れについて推定を行った.
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