研究課題/領域番号 |
13640519
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | (財)レーザー技術総合研究所 |
研究代表者 |
又賀 昇 (又賀 のぼる) 財団法人レーザー技術総合研究所, レーザーバイオ科学研究チーム, チームリーダー (30029368)
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研究分担者 |
七田 芳則 京都大学, 理学研究科, 教授 (60127090)
谷口 誠治 財団法人レーザー技術総合研究所, レーザーバイオ科学研究チーム, 研究員 (00342725)
コスロビアン ハイク (CHOSROWJAN Haik) 財団法人レーザー技術総合研究所, レーザーバイオ科学研究チーム, 研究員 (70291036)
田中 文夫 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (20022907)
今元 泰 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教授 (80263200)
柴田 穣 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20300832)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | PYP及びRh / FP / 蛋白質環境場 / Coherentな振動 / Coherentな反応 / 超高速twisting / 超高速電子移動 / 超高速動的Stokes shift / 蛋白質ナノスペース / 超高速光反応 / フェムト秒蛍光分光 / Photoactive Yellow Protein / site-directed mutant / ロドプシン / フラビン蛋白質 / 蛍光減衰のコヒーレント振動 |
研究概要 |
凝縮系光化学反応と異なり生体系の光反応ではその初期過程が特異的にbarrierless乃至coherentな超高速反応で且つ極めて高効率の場合が知られているが、何故そうなのかという基本的な問題点は明らかにされていない。独特の高い機能を備えた複雑系である光応答性蛋白質の超高速・高効率反応の基礎にある仕組みの解明を目指して、fsレーザーによる蛍光ダイナミクスの研究を世界に先駆けてRh、PYP及びFPについて行い、光励起によるクロモフォア(chr)の構造変化や電子移動反応に対し蛋白質環境場(Protein Nanospace, PNS)の効果が極めて重要なことを具体的に示した。さらに本基盤研究(C)によって、装置の光学系の改良で時間分解能を上げて測定を行った結果、1.PYP、Rh、FPいづれの場合も光励起による超高速反応は励起フランク-コンドン状態から蛍光状態へ移動直後の振動非緩和状態から起こっている可能性大であることがさらに明らかになった。また、2.本研究代表者は以前からPYPのChrの励起状態でのtwistingによる蛍光減衰過程を種々の波長で観測した結果、ChrのtwistingにはChr自身やPNS中でChrと相互作用している蛋白質のcoherentな振動がcoupleしておりその振幅が蛍光減衰初期に若干減少するため蛍光帯のsharpeningが起こっていることを予言していたが、実際に時間分解能を上げた測定で、蛍光減衰曲線に付随するcoherentな振動を世界ではじめて観測した。また、3.Rhの場合にもcoherentな振動が蛍光減衰曲線に付随していることを示す結果を得た。さらに、4.PYPのChrを類似の若干異なる構造のものと入れ替えたアナログ体についてはPYPやPYP mutantの場合と異なり、超高速twistingによる蛍光減衰も付随するcoherentな振動も殆ど観測されず、蛍光スペクトルの超高速動的Stokes shiftがみられることを発見した。FPの超高速光誘起電子移動に対するPNS効果の解明も含めてさらに詳細な検討を計画している。
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