| 研究概要 |
まず3,4-ジホスフィニデンシクロブテンの1,2-位に4-(4-ビニルフェニル)ブチル基を有するジホスフィニデンシクロブテンモノマーを合成し、アニオン重合あるいはラジカル重合によりポリマーへと変換した。また、かさ高いα,ω-ジホスフィノジインを用いて、3,4-ジホスフィニデンシクロブテン骨格をメチレン鎖で連結した型の高分子量型誘導体も合成した。この反応では、分子内でのジホスフィニデンシクロブテン骨格形成に基づく縮環型,誘導体も得られた。これら化合物については、パラジウム錯体等へと誘導し、その性質について知見を得た。続いて、1,2-ジ(2-チエニル)-3,4ジホスフィニデンシクロブテン誘導体および1,2-ジ(3-チエニル)-3,4ジホスフィニデンシクロブテン誘導体を合成し、チエニル部分へのアルキル基の導入を経由してオリゴマー型のジホスフィニデンシクロブテン誘導体を合成することができた。また、最初の段階でチオフェン環同士をメチレン鎖で連結したα,ω-ジチエニルアルカンからも高分子量型ジホスフィニデンシクロブテン誘導体を合成した。
また、連結型立体保護基の開発について検討し、o-位連結型の立体保護基から、高分子量型ジホスフェン誘導体を合成することができた。さらに、p-位連結型立体保護基も開発した他、o-フェノキシメチル型やメタシクロファン型立体保護基を開発し、ホスファアルケン、ジホスフェン、ジホスファアレン類、および初めての非対称ジホスファブタトリエンを合成し、X線結晶構造解析を含め、それら化合物の性質に関する知見を得た。さらにp位に電子供与基や電子求引基を有する立体保護基を開発して、種々の低配位リン化合物を合成した。
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