研究課題/領域番号 |
13640530
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
依田 秀実 静岡大学, 工学部, 助教授 (20201072)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | サマリウム / ラジカル / イミド / ラクタム / 還元的カップリング / アルカロイド / インドリジシン / 生理活性天然物 / インドリジジン |
研究概要 |
連続不斉中心を有する多置換のアゼチジン、ピロリジン、あるいはインドリジジン系アルカロイドは、その特異な構造と強力な抗腫瘍活性等を持つことから多くの研究者の注目を集めているが、その中でも水酸基による連続不斉中心化合物群はalkaloidal sugar mimicsとして知られ、極めて取り扱いが困難にもかかわらず、様々な酵素(glycosidases)に対して協奏的あるいは逆行的に極めて強い阻害活性を示すため、重要な生体物質として周知されている。 本申請では新規に開発されたアミド系化合物のSmI_2による1電子移動反応を利用することによって、近年単離、発見され、これまでの間接的手法ではその基本骨格の構築が困難とされている種々の強い生理活性(抗腫瘍、抗菌、抗ガン活性等)を有したヒドロキシ置換インドリジジン(LentiginosineあるいはSwainsonine等)、およびイソインドロベンズアゼピン系アルカロイド類(ChilenineあるいはLennoxamine等)の直接的な新構築方法を模索、検討し、実践的応用プロセスの開発を行うことを目的とした。 申請者は既に反応性の乏しいアミド系化合物を「イミド」とすることにより、SmI_2を用いた1電子移動反応において、容易にカルボニル化合物とcross-coupling反応を行い付加生成物を与えることを明らかにし、さらに完全な立体選択的還元反応や脱酸素反応が可能であることを報告している。さらにごく最近、未公表ではあるが、類似のNHラクタムを同様の条件下においてカルボニル化合物と反応させたところ、極めて高収率で対応する新規なN-Cカップリング生成物が得られることを見い出している。 そこで本年度は、前述の研究結果を論文として報告することと、次の事柄を明らかにするために研究を実施した。 1 まずこれまでの結果を研究論文としてまとめた(11項を参照)。 2 イミド、ラクタムおよび反応種としてのカルボニル化合物として、どのような官能基を持つ構造まで対応可能かについて。調査の結果、NR型イミド、NH型のラクタムがもっとも良好な結果を与え、カルボニル基としてはアルデヒドが有効であった。 3 本反応が芳香族系化合物の分子内カップリング反応に適用可能かについて。検討の結果イミド系化合物を用いた場合には、分子内反応に適応可能であったが、ラクタム系化合物の場合には、興味深いことに、分子内よりも分子間反応により有効であった。これらの検討結果、および調査結果を踏まえて、生理活性アルカロイド系天然物であるconiceine, indo-lizidine 167B,およびchileneの全合成を達成した。
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