研究概要 |
本研究プロジェクトではペルフロロ炭素鎖と三重結合を付与した新規な液晶材料の開発,キャラクタリゼーションとこれらの液晶材料の光反応の検討を行った.更に,有機溶媒中でのこれらの液晶の凝集体形成についても併せて検討した. 本研究では10種の新規な液晶材料の合成に成功した.これらの液晶のスメクチック相の層構造はX-線小角散乱法により決定した.その結果,ペルフロロ炭素鎖付近での親フッ素相互作用がスメクチック相の熱安定性のみならず,層内での分子配列にも主要な効果を及ぼしていることが明らかとなった.今回合成した液晶材料の種々の条件下で光反応を検討したがフェニルアセチレン化合物は非常に安定で反応生成物は得られなかった. 本研究で開発した液晶材料は有機溶媒中で非常に容易に凝集体を形成する.濁度計で測定した粒子径は作成条件にもよるが0.5-1.0μmであった.この微粒子は液晶性を示すと共に,その液晶相の相転移温度はバルク状態と殆ど差異が認められなかった.この事から,液晶超微粒子が有機溶媒中で簡単に生成すると結論した.
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