研究課題/領域番号 |
13640585
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能・物性・材料
|
研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
丸山 有成 法政大学, 工学部, 教授 (40013479)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | DNA / STM / STS / 電荷移動 / トンネルスペクトル |
研究概要 |
本研究の目的は、2重螺旋DNA分子内で二つの螺旋を結び付けている塩基対を通しての電荷(電子、正孔)の移動速度と塩基対の配列との相関性を明らかにするために、各塩基分子対サイトの電子状態密度のエネルギースペクトルをトンネル顕微鏡を用いて直接測定することである。前年度までに、塩基対として(A-T)対だけのDNA(poly(dA・dT)・poly(dA-dT))と(G-C)対だけのDNA(poly(dG-dC)・poly(dG-dC))とを対象として、それぞれの塩基対サイトのトンネルスペクトルを測定し比較検討してきた。そこで本年度は、まだ不充分であった後者の空間分解トンネルスペクトルをより詳しく測定し前者との相異をより確実に明らかにすることを試みた。計画では極低温での測定も行う予定であったが、今年度内にはそこまで到らなかった.しかし、室温での測定でも両者のスペクトルの差は明らかに認められた。すなわち、(G-C)対サイトの価電子帯の状態密度の最も浅い第一ピークのエネルギーは(A-T)対でのそれよりかなり高いところにあり、このことは前者の方が正孔に対するエネルギー障壁が低いことを示していると考えられる。この結果は、生化学的な実験によって得られたE.Meggersらの仮説を支持するものであり、コンシステントな結果である。今後は、極低温でのより精密な測定を行うことおよび、両者の導電性を直接比較することを計画している。
|