研究概要 |
cop1-6変異体が暗黒下で「もやし植物」にならずに発生分化し花芽状の形態形成することを研究の出発点とした。この植物で、花芽分化関連遺伝子群の発現を調べた。方法は微量なmRNAも同定できるようにRT-PCR法で行った。その結果、微量なRNAの存在量で比較する限り、AP1,CAL, AG遺伝子の発現が野生型より有意にcop1-6変異体暗黒培養で認められることを発見した。 二重変異体の解析によりcop1-6変異が作用する点は、co-1,gi-2,ld-1各変異の対応する野生型遺伝子の作用する点より前であり、CRY2産物より下流であることになった。 2%ショ糖では、cop1-2,1-4変異体では発生異常をおこすが、各々8%,5%の高濃度ショ糖では花芽様の構造を持った植物体が分化することを見出した。Cop1変異体では、変異により依存度は異なるが至適な濃度のショ糖を与えれば、花芽分化誘導がおこることが示された。したがって、「暗黒下花芽分化誘導」とは、光に換えてショ糖による花芽分化の誘導と言えることを見出した。 現在までの研究で、cop1-6変異の理由として、「暗黒下でも核に存在しない変異」ではないかと予測したクラゲ緑蛍光タンパク質遺伝子との融合遺伝子を作成して局在を調べた。COP1野生型遺伝子産物は核に存在。cop1-6変異体産物では、全体的に分布する。よって、変異遺伝子の今まで記述してきた表現型は核への局在が弱まったためであると推定した。
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