研究課題/領域番号 |
13640621
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
西村 欣也 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 助教授 (30222186)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 共食い / 分岐進化 / ゲーム / 形質 / 自然選択 / ゲーム形 / 進化ダイナミクス / 突然変異 / 形質適応進化 / 形質分岐 / 収束安定 / 進化 / 形態 / コスト |
研究概要 |
捕食-被食関係は、主要な強い生物問相互作用の1つである。そのため捕食者・被食者の形質・生活史は互いが強い影響を及ぼしあって形成されてきたと考えられる場合がある。中でも共食いは、同種内で起こる捕食-被食関係であり、種間の捕食-被食関係と対比して特殊なものである。共食い形質・生活史はどのような条件の下に進化し維持されるのか、環境と種内個体問相互作用の性質によって理解されるはずである。本研究では、ゲームの理論を中心とした数理科学的方法に基づき、共食いの進化・維持の条件についての解析を行った。 生物間の相互作用によって生じる形質・生活史の進化ダイナミクスを理論的に解析する方法としてメーナード・スミスは進化ゲーム理論を確立した。本研究は進化ゲーム理論によって、共食い形質の進化・維持条件を解析した。共食いは種内において捕食者の側面ではエネルギー獲得のゲームであり、被食者の側面では生き残りゲームとして捉えることができる。両ゲームの総体としてゲームの結果生じる進化適応度を仮定し、その動態解析を行った。 共食い形質の進化・維持は、定性的には次のような条件が必要である。(1)同種の高密度、(2)他の利用可能な餌の不足、(3)高い餓死による死亡率。しかしながら、これらの条件よって進化的結末は一様に共食い形質の発達・維持につながらない。解析によって以下の注目すべきことが明らかとなった。(1)突然変異と選択のバランスによって維持される集団内の形質分散の大きさによって、形質の進化発達はいくつかの異なる経路をとり、進化ゲームの到達する異なる状態がありえる、(2)共食行為自体が行為(捕食行為)者にとってコストとなる場合、同種が餌としての質が高くても、共食いが進化しない状況がありえる。
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