研究課題/領域番号 |
13640680
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
動物生理・代謝
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
酒井 正樹 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (30027502)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2001年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
|
キーワード | コオロギ / 交尾行動 / ニューロン / 最終腹部神経節 / 生殖神経 / タイマー / セロトニン / 5-HTP / 脳 / 賦活 / 神経 / パターン発生器 / 興奮 / オクトパミン |
研究概要 |
雄コオロギには、雌に求愛・交尾をする交尾期と雌を威嚇する交尾不応期(RS)からなる生殖サイクルがある。後者のうち、交尾の終了から精包の準備までを第1不応期(RS1)と呼び、精包の準備から求愛の開始までを第2不応期(RS2)と呼ぶ。RS1は通常数分であるが、変動が大きく、雌がいない場合や雄がストレスに曝されると、1時間以上に延長するが、RS2はつねに約1時間と一定である。先のわれわれの研究により、RS2を制御するタイマーは、最終腹部神経節(TAG)にあることが示唆されたので、本研究では、このタイマーのメカニズムを調べるためRS2の開始時に種々の薬物をコオロギの体内またはTAGに投与した。その結果、生体アミンである5-HT(セロトニン)とオクトパミンにはRS2の短縮効果があったが、もっとも顕著な効果(もとの38%まで)は、5-HTの前駆体である5-HTP(5ヒドロキシトリプタミン)にあった。また、その効果は、5-HTPを5-HTに変える酵素(AADC)の阻害剤により抑制されたため、5-HTPの短縮効果は、5-HTとなって現れるものと結論された。また、mRNAの阻害剤シクロヘキシミドの同時投与は、5-HTPによる短縮効果に影響を与えなかった。以上より、TAGにあるタイマーの時間刻みには、タンパク質の合成を介さず、5-HTに刺激されるセカンドメッセンジャーの関与が示唆された。これは、Ureshi, Dainobu and Sakai(J Comp Physiol 2002)の論文により報告した。また、TAGのタイマーニューロンにアプローチするため、生殖器運動ニューロンから細胞外記録をおこなったところ、時間依存性の活動を示すものを見い出された。これについては、Kumashiro, Tsuji and Sakai(J Exp Biol)の論文として投稿し、目下改訂中である。
|