研究分担者 |
安藤 準 鶴見大学, 歯学部, 助手 (00282765)
八畑 謙介 筑波大学, 生物科学系, 講師 (70302370)
塘 忠顕 福島大学, 教育学部, 助教授 (80282250)
生田 享介 (生田 京介) 大阪教育大学, 教育学部, 助手 (30299367)
牧岡 俊樹 筑波大学, 生物化学系, 教授 (60015584)
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研究概要 |
節足動物の卵巣構造と卵形成様式の多様性を把握するために、特にこれまでこれらの形質についての情報が欠落している群を中心に、比較形態学的観察を行った。 鋏角類では、ヤイトムシ目で初めて詳細な組織学的観察を行うと共に(Miyazaki et al.,'01)、メクラツチカニムシの卵形成段階の観察から、生活史に関する新たな知見を得た(加藤・塘,印刷中)。ウミグモ類では、生殖器官系と循環器官系の位置関係が、他の節足動物には見られないユニークなものである事を確認すると共に(Miyazaki & Pass, in press)、スイクチウミグモの生殖孔に関する記載の誤りを明らかにした(Miyazaki, in press)。昆虫類では、カカトアルキ目の卵膜の微細構造を観察し、昆虫類全体でもユニークな形質を記載した(Tsutsumi et al., in press)。また卵生と卵胎生のコカゲロウ類を比較し、両者に共通した後胚発生様式と、生殖様式の違いを反映したと考えられるいくつかの卵形成様式の相違点を明らかにした(高橋・塘,'01;Takahashi & Tsutsumi,'02;影山・塘,印刷中)。多足類では、ヤスデ類で網羅的な観察を行い、各上位分類群毎の卵巣の基本形態を把握し、その進化傾向を推定した。甲殻類では、大顎類なのに鋏角類と類似した卵巣を持つ介形類の主要群について観察を行い、鋏角類型の卵巣が収斂的に進化してきた事を明らかにし、新たに鋏角類型と大顎類型の中間タイプの卵巣を記載した(Ikuta & Makioka,'04)。またザリガニ類の卵巣の概形と形成細胞層を観察し、卵巣構造の進化様式を推定した。更にカブトエビ類の生殖巣の後胚発生と(Mitsumoto & Makioka,'02,'03)、ヤドリムシ類の生殖巣の構造を記載した(松澤・八畑,'03)。
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