研究課題/領域番号 |
13650007
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
|
研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
中川 清和 山梨大学, 工学部, 教授 (40324181)
|
研究分担者 |
白木 靖寛 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00206286)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
|
キーワード | Si系歪みヘテロ構造 / 擬似基板 / 超高移動度FET / 化学機械研磨法 / イオン注入 / 歪み緩和 / 擬似基 / 科学機械研磨法 |
研究概要 |
Si基板/歪緩和SiGeバッファー層/歪Siチャネル層という構造を有する超高移動度素子作製用の歪緩和SiGeバッファー層の新形成法開発を目指し2年計画で研究を推進し、以下の成果を得た。 1.イオン注入によりSi基板中に形成された欠陥層がその上に成長するSiGe層の歪緩和を大幅に促進する。 2.歪緩和量は加速電圧に依存し、50keV程度で最大となる。この依存性は、低加速電圧では、欠陥層が基板表面近くに存在するために、基板清浄化の際に欠陥濃度が減少したためと考えている。また、90keV程度では、欠陥層が基板表面から深い位置に形成され、その上に成長したSiGeには有効な転位源として働いていないと理解される。 3.歪緩和量はドーズ量に依存し、ドーズ量1x10^<15>cm^<-2>、注入エネルギー50keVにおいて、膜厚100nmで90%以上の緩和率を得ることができた。 4.断面構造の電子顕微鏡観察から、注入したアルゴンの飛程端(End of Range)に欠陥が多数観察されており、これが緩和促進に寄与しているものと考えている。 さらに、歪緩和に伴う表面荒れの抑制についてSiGe用の化学機械研磨法を開発し、以下の成果を得た。 1.コロイダルシリカを研磨剤として用い、研磨後の洗浄法を検討し、研磨圧力150g/平方センチ程度で200nm研磨し、その後NH_4OH+H_2O_2+H_2O(2:9:150)、温度20℃で洗浄することにより、平均表面荒れ0.5nmの極めて平坦な緩和SiGe層を実現した。 2.上記方法により作製した平坦SiGeバッファー層上に100nmのSiGeを再成長し、成長膜の表面が再成長により荒れないことを確認し、原子層オーダーで平坦な歪みヘテロ構造用の擬似基板(緩和SiGeバッファー層)形成の重要な要素技術を開発した。 3.平坦化の有無だけが異なるSiGe/歪Si/SiGe構造を作製し電子移動度を比較したところ、平坦化により移動度が4倍向上することを確認した。
|