研究概要 |
半導体光増幅器を利得媒質としてファイバリング共振器を構成し,この共振器の一部にファイバコリメータを用いてコリメート光が空問伝搬する部分を設け,その出射部に45度偏光を回転するファラデー旋光子を貼り付ける機構により,時計回り,反時計回りの発振光がこの空間伝搬部で互いに偏光が直交するように伝搬する構成を実現した.またこの部分に位相板を挿入すると両回り光が異なった周波数で発振することが碓認され,この両回り発振光を合波・光電検出しスペクトラムアナライザでパワースペクトルを観測したところ,フリースペクトラルレンジの4分の1に相当する周波数成分を持つビート信号が観測され,挿入した位相板が有する複屈折性に相当する信号が検出されることが確認された.続いてこのレーザを周波数検出型の光ファイバセンサとして応用する実験を行った.まず上記の空間伝搬部に種々の位相差を有する波長板を挿入することで位相差に比例してこのビート信号が変化することを確認した.続いて波長板の替わりに溶融石英試料を挿入し,これにひずみゲージを取り付けた後圧力を加え応力ひずみを発生させることにより複屈折性を発現させた.ひずみゲージで測定した応力とビート周波数のシフト量の関係を調べたところ,多少のばらつきはあるものの加えた応力に対して線形にビート周波数がシフトすることが確認され,通常のリングレーザ型センサでは検出困難な相反効果である複屈折性を測定可能な周波数検出型の光ファイバセンサとして適用可能であることが確認され,複屈折性を発現するその他の物理量を計測するセンサとしても発展が期待できることがわかった.
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