研究課題/領域番号 |
13650042
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
菊田 久雄 大阪府立大学, 工学研究科, 講師 (10214743)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | Optical band-pass filter / Guided-mode resonant grating filter / Moth eye structure / Subwavelength structured surface / Low sideband / Optical thin film / Diffraction grating / Waveguide / フォトニック結晶 / 反射防止 / 共鳴反射 / 波長フィルター |
研究概要 |
サブ波長周期をもつ格子構造に高い屈折率をもつ薄膜をつけることで、狭帯域の波長選択フィルターが実現できることを示した。とくに、格子の断面構造を三角形上にすることで、波長の選択性能が高くなることを理論と実験により示した。 基板上に高屈折率薄膜を成膜する方法で多くの光導波路が作成されている。その光導波路の上に周期の短い格子構造を作りつけると、特定の光の波長と入射角度の条件で光波の共鳴現象が発生し、入射光は強く反射される。この原理を用いて狭帯域の波長選択フィルターが実現されている。本研究では、三角形断面をもつサブ波長の表面格子構造に高屈折率薄膜をのせる構造を考案し、非共鳴波長での反射率が低下することを示した。三角形断面をもつサブ波長の表面格子構造は、光の反射を抑制することが知られている。これに高屈折膜をつけると、ある部分に屈折率の高い層ができ、この部分が光導波路として作用することで共鳴反射を生じる。一方、共鳴条件にない波長の光は、三角形断面の無反射効果により、ほとんど反射せずに透過する。これらの効果により、共鳴条件を確保しながら、非共鳴波長での光波の反射を低減することが可能になり、フィルターとしての波長選択性能を向上させることができる。 ここでは、電磁場解析の数値解析によって、上記の高い波長選択性能が得られることを確かめた。数値計算では、従来の単層導波路型のフィルターに比べて、より広い波長範囲で低反射率が確保でき、入射角度に対しても従来のものより広い範囲で動作することが分かった。一方、1次元周期構造ではあるものの、3角形断面をもつ無反射構造を実際に作製し、その上に高屈折率をもつ二酸化チタンの薄膜を真空蒸着する方法でフィルターの試作を行った。作成したフィルターの光学特性を評価したところ、非共鳴波長の光波に対しては従来型のものより低い反射率を実現できることが分かった。
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