研究課題/領域番号 |
13650071
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機械材料・材料力学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
菅野 良弘 岩手大学, 工学部, 教授 (90089160)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 人工股関節 / 臼蓋 / 傾斜機能材料 / 生体活性性 / 応力緩和 / 材料組成設計 / 動的問題 / 接触問題 / 不均質性 / 動的応力 / 不均質中空半球 / 材料組成最適化 / 力学的適合性 / 生体適合性 / 遺伝的アルゴリズム / 計算力学 |
研究概要 |
人工股関節の人工臼蓋と生体骨(骨盤)の接着に使角されるPMMA骨セメントが生体不活性材料であるため、人工臼蓋と生体骨の間にコラーゲン線維膜が生成し直接接合しない。また、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)製人工臼蓋と骨頭との接触に伴って臼蓋内面近傍に生じる大きな接触応力によるポリエチレン摩耗粉が人工股関節と周囲の生体骨(骨盤や大腿骨)の界面近傍に付着し、これが生体骨の融解や壊死を引き起こす。この2つの問題により、人工股関節の弛みと疼痛をもたらし、施術後の10-15年後において15%程度の患者に再手術を余儀なくしている。このような問題を解決するためには、人工臼蓋と生体骨の間の生体適合性の改善と、接触応力をUHMWPEの降伏応力以下に緩和することが必須である。人工股関節と生体骨を一つの不均質中空半球体と見なし、骨頭と接触する中空半球体の内側半球面から骨盤と接合される外側半球面まで半径方向に材料組成を変化させて、即ち傾斜機能材料(FGM)製の人工股関節(臼蓋)として設計することが考えられる。本研究では、UHMWPE、UHMWPEとAW-バイオガラスの傾斜層、多孔質AW-バイオガラスからなる人工臼蓋を生体内に埋入したあと、骨の成長により多孔質AW-バイオガラスの孔内に骨が侵入することを利用して生体骨と接合させるモデル(多孔率の傾斜化によりAW-バイオガラスと生体骨の任意の材料組成分布を持つ傾斜層が生成できる)について、内側半球面に楕円形分布荷重を静的および動的に負荷した場合、さらに骨頭と臼蓋内面の接触問題を解析し、UHMWPEとAW-バイオガラスの傾斜層および多孔質AW-バイオガラスと生体骨の傾斜層の材料組成をバイオガラスリッチにすることにより、相当応力/圧縮強度の比がCharnleyモデルに由来する従来モデルよりオーダー的に見て極端に緩和され、生体活性性を付与したことによる人工臼蓋と生体骨の間の接合の問題の解決と合わせて傾斜機能材料で人工股関節を設計する有効性が材料力学的に明らかになった。
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