研究課題/領域番号 |
13650093
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機械材料・材料力学
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
中垣 通彦 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (90207720)
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研究分担者 |
堀江 知義 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (40229224)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2001年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 人工筋肉 / 知能複合材料 / マイクロ・アクチュエーター / 粒子分散複合材料 / Localised Rigidity法 / 等価介在物理論 / Self-consistent法 / 形状記憶合金 / 繊維分散複合材料 / Self-consistent / ピエゾ弾性材料 / マイクロアクチュエーター / メゾ・メカニックス / 可変焦点距離レンズ |
研究概要 |
本研究において、マイクロ・マシンの駆動力を与え、高い自由度と性能を持ち、加工・成形、創成において扱いやすい知能複合材料、また生体において親和性をもち任意の挙動を持たせることの出来る人工筋肉を開発する事を目的とした。その動力源として、マイクロ・アクチュエーター素子を分散配列した高自由度を持つ駆動系知能材料モデルの創成に関する可能性を追求し、次に示す結果と知見を得た。 (1)その利用を生体科学技術分野に考える場合、生体との間の親和性は重要なファクターとなる.材料への生体からの抗体反応は深刻な間題であり、人工生体機器の構成材料については別途対応が必要とされる。また力学的見地から、人工筋肉としての利用を考える場合、周囲の生体組織の剛性との整合性が間題となる一方、効果的に動力を伝達させるため、柔軟な駆動体を考えねばならない。本研究の成果として、生体材料に近いヤング率をもった柔飲体にピエゾ弾性材料を分散させ埋め込んだ人工筋肉体を考え、その特性を解析した結果、高い自由度をもって挙動させる事が可能である。 (2)ピエゾ材料は微小なひずみしか発生しないため、十分な人工筋肉の駆動ストロークを確保できない。本研究でこの難題を越えるため、ひずみ増幅機構を考案した。ピエゾ弾性材料を貼り合わせたユニモルフ、またはバイモルフ構造を持つ線条を螺旋状にしたバネを考案する事により、30〜40%もの縦ひずみを発生させる事ができる事が明らかになった。この特殊なバネを微小な駆動素子として、柔軟材料中に多数配列する事により任意の複雑な挙動を発生させる事ができる。 (3)駆動素子を分散させた人工筋肉の挙動予測のための解析に巨視的な材料構成則が必要となる。本研究では等価介在物理論により、線形材料にはSCCモデル、および非線形材料に対してはLRMモデルを用いた計算力学解析システムを構築した。これによりピエゾ・ユニモルフ・バネ素子を繊維状に分散した梁形状をもつ人工筋肉体の挙動解析を行ない、人工筋肉として十分な力学特性が確保できる事を示した。 (4)本システムを利用して、従来のポンプ型でなく動力機構が伸縮型の人工心臓の開発を進めて行きたい。今回開発したモデルを用いれば、駆動形態が生体臓器のそれに近く、血流がスムーズであり、血小板が壊れる事がなく原理的に血栓の発生率が極めて低い人工心臓の実現の可能となるので、同分野での新しい展開として期待が持てる。
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