研究概要 |
オートクレーブを用いて,センサとしての光ファイバ,アクチュエータとしてのセラミックピエゾ素子を埋め込んだCFRP積層板を製作し,その間にER流体を封入したハイブリッドスマートCFRPコンポジットはりの製作を行い,このはりの先端の振動を効率良く制御する方法について検討を行ってきた。 まず,ER流体の強い非線形性を考慮して,ファジィ推論とニュートラルネットワークの学習機能を融合した方法により,複合材はりの振動系のファジィモデルを作成した。このモデルにもとづいて振動系の応答が安定化するようなコントローラを求める方法を,リアプノフの安定理論から導き出された安定化条件を示す行列不等式を解く必要が生じた。しかしこの不等式の形のままでは線形にならず,解法が面倒で必ずしも安定解が見つかる保証がなかった。 そこで今回,この行列不等式をLMI(線形行列不等式)に変形,改善し,解を求める計算過程をかなり簡単化することにより求解が飛躍的に効率化された。さらに,対象の制御系に有界な外乱入力が加えられた場合に出力も有界になるというBIBO(有界入力・有界出力)安定性も確認できた。
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