研究概要 |
本研究は,粗粒ダイヤモンド砥石によるファインセラミックスの高能率研磨レス超平滑研削法の構築を目的として,ファインセラミックの超平滑研削機構を解明し,その高能率化を計ろうとするものである。本年度は,平成13年度に引き続いた検討を行い,以下のような成果を得た. 1.超平滑研削面形成条件の実験的検討 平成13年度に,炭化けい素セラミックを用いて,著者が新たに考案した「超平滑研削法」についての有効性を,概略的に確認した成果を基に,超平滑研削面形成条件を,横軸角テーブル型平面研削盤で検討した.超平滑研削法は,テーブル送りを砥石回転方向と直角方向に,砥石1回転あたりの送り速度fGnで送った後,研削方向(砥石回転方向)に平行な間欠送り量fpで,間欠的にテーブルを送って,工作物全面を仕上げていく方法である。この点を考慮して,炭化けい素セラミックの超平滑研削条件に及ぼすfGn, fpおよび砥石周速度Vgの影響を検討したその結果以下の結果を得た. (1)仕上面粗さを10nm(Ry)以下にするには,fGnをある程度以下にする必要がある. (2)fpを大きくすると,仕上面粗さが悪くなる。超平滑面を得るためには,考慮して行う必要がある. (3)Vgを大きくすると,fpの大きな範囲で,仕上面粗さがより悪くなるように影響する. 2.各種セラミックスにおける超平滑研削の可能性の検討 炭化けい素以外の窒化けい素・ジルコニア・アルチックについても,超平滑研削が可能である. 3.セラミックス以外の各種材料の超平滑研削の可能性の検討 セラミック以外にも,超硬合金,焼入れ炭素工具鋼についても超平滑研削の可能性を検討し,セラミックと同様に,2次元仕上面粗さが10nm(Ry値)または2nm(Ra値)の超平滑面を得ることができた.
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