配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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研究概要 |
昨年度までの研究において,φ180μm以下の細線ワイヤ工具を連続的に試作できる電着装置並びに細線ワイヤ工具を高速走行させながらスライシングできる切断装置の試作が終了し,ワイヤ工具の縒りピッチと加工能率の関係とウェハーうねりとの関係を明らかにした.そこで,本年度においては,試作したワイヤ工具の材料強度試験や切断実験を通じて,本ワイヤ工具の加工メカニズムを検討した結果,以下の事柄が明らかとなった. 1.電着時間,メッキ槽長さ,電流密度の観点から細線ワイヤ工具の最適電着条件を検討した結果,ダイヤモンド砥粒と芯線の密着度を向上させるために行う予備メッキ長さが200mm,ダイヤモンド砥粒をワイヤ表面に固着する砥粒槽長さが200mm,ダイヤモンド砥粒の突き出し量を揃える後メッキ長さ200mm,電流密度1.5〜2.0×10^3A/m^2の時,最も長寿命なワイヤ工具となることがわかった. 2.試作した細線ワイヤ工具のワイヤ強度試験を行った結果,引張り強度はワイヤ工具の断面積が従来のダイヤモンドワイヤ工具より減少しているために弱いが,ねじり強度は1.5倍向上していることがわかった. 3.細線ダイヤモンドワイヤ工具の縒りピッチが加工特性に与える影響を検討した結果,ピッチ8mmの時,最も加工能率は向上した.また,縒りピッチが長い細線ダイヤモンドワイヤ工具は加工に関与するダイヤモンド砥粒数が多く,それが高切断能率の理由であることも切断実験や加工後のワイヤ工具観察から明らかにした. 4.切断後のウェハーに関して加工精度の測定を行った結果,細線ダイヤモンドワイヤ工具は従来のワイヤ工具とほぼ同じ値を示した.
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