研究概要 |
交流電流パワーアンプを試作した.このアンプは周波数600kHz以上に対応し,出力が5A以上の性能であることを確認した.交流電位差データを計測し解析するため,超高速A/Dコンバータを取り付けたパーソナルコンピュータと計測用シグナルコンディショナー,周波数発振器からなる高精度交流電位差システムを構成し,動作を確認した. S45C,微少スリットを持つ表面損傷モデル試験片により,表面損傷の評価試験を行った.その結果,スリットの深さと検出された交流電位差の変化には比例関係があることが分った.また,スリットを切削加工で作成したものと比較した結果,切削加工のほうが検出された交流電位差が小さいことが分った.これは,切削加工により材料が加工硬化したためと思われる. S45Cを下部試験片,SUJ2を上部試験片とし,往復動による転がり摩耗試験を行い,交流電位差の変化を調べた、その結果,すべり率8.7%のものは摩耗が進むとともに交流電位差がやや減少し,すべり率16.4%の場合,初期には交流電位差がわずかに減少し,その後増加する傾向が得られた.すべり率24%では,交流電位差は増加し,途中で一定値に飽和する傾向が得られた.これらの現象は,摩耗による加工硬化などの材質の変化と表面の形状変化による電流経路の変化が関係していると思われる.
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