研究課題/領域番号 |
13650169
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 広島大学 (2002) 電気通信大学 (2001) |
研究代表者 |
前川 博 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90145459)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 複雑乱流 / コンパクトスキーム / 混相流 / 衝撃波 / 凸結合スキーム / 非線型フィルター / 音波 / 乱流遷移 / DNS / WENO / 物理量不連続性 / 補間法 / 解像度 / 極超音速 |
研究概要 |
コンパクトスキームの特徴である高解像度性と位相誤差の微小である特徴を複雑流動DNSに活用する手法を研究した。なめらかな流れ場と比べ物理量の不連続性が存在する流れ場においては、スペクトル法で用いられる有限フーリエ級数による導関数の近似法ではギブス現象が発生し収束性が極めて悪くなる。そのため、高波数にのみ散逸誤差をもつコンパクトスキーム系は計算をロバストにする効果が期待できる。一方、ENOスキームに見られるように、物理量の不連続性をとらえることに優れている計算スキームは比較的大きな散逸誤差(数値散逸)をもち、音波の伝播を捉えるのには一般に散逸が大きすぎる。コンパクトスキームは伝播する音波を捉えることにはきわめて優れた特性を持つ有限差分スキームである。このスキームの特徴をいかす手法を研究するため、(1)鈍頭物体まわりの高いマッハ数流れにおける外部からの微小かく乱受容性に関する問題、(2)超音速流れから発生する音波に関する問題、そして(3)混相流における気泡変形と崩壊現象について研究を行った。その結果、問題(1)については、鈍頭物体により離脱衝撃波をもつマッハ数M=10の流れの上流から平面音波が進入する場合は、エントロピーと渦度変動が発生する様子をシミュレートすることができた。問題(2)では、移流マッハ数が1.17の超音速矩形ジェットから発生する音波の様子は、風上バイアススキームによってジェット乱流微細構造とマッハ波を同時に捕らえることができる。問題(3)においては、気液二相流れにおいて、気体と液体を表す状態方程式を用いることによって、液体中の気泡に衝撃波を衝突させ気泡が崩壊する際に音波とマイクロジェットを捕らえることができた。高次精度コンパクトスキームを適用するために、数値フラックスの凸結合補間、そして混相流に見られる物理量の非常に大きな不連続性による振動を抑えるために非線型フィルターを用いた。これらの手法の組み合わせによって、数値振動を抑え、混相流に見られるような大きな物理量ジャンプと微小音波を同時にとらえることが可能となった。
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