研究分担者 |
鈴木 健 産業技術総合研究所, 計算科学研究部門, 主任研究官
中村 祐二 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (50303657)
角田 博之 山梨大学, 工学部, 助教授 (10207433)
櫛田 武広 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (90109281)
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研究概要 |
本研究は大筋当初の研究実施計画に基づき,遂行された.以下に研究の進展状況と成果をまとめる. 目的(A)確率確率微分方程式によるシミュレーション 従来の粒子速度に関する確率微分方程式モデル(円筒座標系での一般化ランジュバンモデル)に加えて,スカラー量に分子混合モデルを導入し,確率密度関数法により,発達した円管内乱流中の軸対称プルームの変動スカラー場の計算を行い,実験と比較した.その際,分子混合モデルとして,Dopazoの決定論的モデルと,修正Curlモデルを試み,両モデルともに,平均濃度と変動濃度rms値の半径方向分布の予測に有効であることをわかった.次に,格子乱流中の2次反応を伴う混合層の変動スカラー場の計算を行い,分子混合モデルとして,二項ランジュバンモデルがスカラー量確率密度関数分布の予測に有効であることを示した.さらに,これまでの速度場のモデルを軸対称乱流噴流場に適用できるように拡張し,Dopazoのモデルにより,保存スカラー場の計算が行われた.その結果,十分な精度でスカラー場の3次モメントまでの予測ができた. 目的(B)ランダムフーリエモード法によるシミュレーション まず,格子乱流中におかれた2次元円柱まわりの乱流場をランダムフーリエモード法と急激変形理論および後流渦放出モデルを組み合わせることにより計算する方法を提案し,速度場の2次のモーメント,スペクトル分布などの統計量を実験と比較した.その結果,本方法はよく実験結果を表すことがわかった.また,ランダムフーリエモード法と2粒子対逆拡散モデルあるいは分子混合モデルによる反応性スカラー混合層の数値計算も試みられた.さらに,乱流中の各種鈍頭物体周りの乱流場の計算手法を開発した.また,一様等方性乱流中の物質線の特性も調べられた.
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