研究課題/領域番号 |
13650175
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
辻 義之 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00252255)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 乱流 / 変動圧力 / 普遍法則 / 微細構造 / 速度・圧力変動 |
研究概要 |
流体運動の基礎方程式から明らかなように、渦度分布とエネルギー散逸率の分布は、変動圧力場と密接に関連している。しかし、従来の実験的研究は渦度測定およびエネルギー散逸率の測定に重点がおかれ、それらの情報のみから乱流の普遍構造を理解してきた。これは偏に変動圧力測定が技術的に大変困難であり、かつデータ解析には十分な経験が要求されるためである。一方、近年の等方性乱流の数値計算では、一般の室内実験で達成できるレイノルズ数に迫るR_λ〜400が実現されている。数値計算では圧力場は完全に把握できることから、詳細な解析が続々と報告されている。ここで議論する普遍法則とは、例えば、変動圧力のエネルギースペクトル型がある。Kolmogorovは慣性領域における圧力スペクトルのベキ指数が-7/3乗であることを今から50年以上前に推測している。そしてその後の実験的研究は、必ずKolmogorovの仮説に従い、指数が-7/3乗になることを報告してきた。しかし、最大規模の数値計算は、指数が-7/3乗とはならず-5/3乗に極めてちかくなることを明らかにした。本研究では、変動静圧の高精度の計測法を確立し、エネルギースペクトルに-7/3乗則が確かに存在することを実験的に示した。また、計測上の問題となるヘルムホルツ共振、内部共鳴を数値的に除去する方法を考案した。マイクロファオンおよび圧力トランスデューサを併用し、微小変動圧の計測を約5kHzまで可能にした。 これらの測定方法を円柱後流におけるエネルギー収支の定量的評価に用いた。従来では圧力拡散項を直接測定することが出来なかったが、本手法によりそれが実現された。乱流場の微細渦構造に着いては、現在も解析を進めている段階である。時間分解能に関しては改良がなされたが、空間分解能に着いては、今後も改善できるように研究を進めていく予定である。
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