研究分担者 |
妻木 勇一 弘前大学, 理工学部, 助教授 (50270814)
近野 敦 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90250688)
内山 勝 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30125504)
佐藤 大祐 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40344692)
KHALID Munawar 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50333852)
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研究概要 |
近年,力覚センサの応用分野は多岐にわたっている.しかし,その多くは受感部の感度を上げる目的から剛性が低くなっていることが多い.このようなセンサを用いて,外乱のある動作の中から必要な信号のみを取り出すことは困難である.そこで本研究の目的を,特定の方向に敏感で,他の方向には剛性のあるセンサ用はりについて解明することとした.具体的には,平行平板はりとH形溝つきはりにおける変形の特徴をFEA(有限要素解析)と実験モデルによって検証し,センサはりとしての有用性を実証する. 本研究の成果は以下のように要約される. 1.両はりとも,はり間距離を増やすことで可変形性を大きく損なうことなくねじり剛性を高めることができるが,特にH形溝付きはりは,平行はりに比べて著しく剛性が高い.またH形溝付きはりは変形部を溝部に限定していることから,その溝部にひずみゲージを貼ることで変形の多くを信号として取り出すことができる.このことは,小さな変形で大きなひずみが取り出せることを意味しており,力検出用はりとして最適といえる.しかし,はり中間部の厚さがカウンターマスとなって固有値を下げることから,その軽量化について考慮しなければならない. 2.H形溝付きはりの特徴である方向性を持った可変形性は,はり部に儲けた4箇所の薄肉部が4棒リンク機構における回転ジョイントの役割を果たしていることに起因する.この機構の特徴を生かし,過負荷防止の機構をその構造中に付加することができた. 3.H形溝付きはりは溝部への応力集中を特徴としている.そこで,この溝部の金属疲労が考えられることから,その最適形状について研究した.これまでのところ,短軸と長軸の比が1/10程度の楕円溝が,簡便で有効な溝形状であることを確認している. 4.このH形溝付きセンサはりの新たな応用課題としてヒューマノイドロボットの足底センサを取り上げ,その設計,試作,実験を行い成果を得た.
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