研究課題/領域番号 |
13650303
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電力工学・電気機器工学
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
長尾 雅行 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (30115612)
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研究分担者 |
村本 裕二 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70273331)
穂積 直裕 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (30314090)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 電力ケーブル / 水トリー / トリーイング現象 / 空間電荷 / 劣化要因 |
研究概要 |
本研究では、フィルム試料における水トリーの発生機構並びに高電界電気伝導機構を解明するとともに、電力ケーブル絶縁部の水トリー劣化防止策に対する新しい手法を確立することを目的としている。また今までどこも作製することができなかった貫通水トリー試料の作製に成功し、その高電界電気伝導機構の解明も進めることで水トリー発生および劣化機構が及ぼす電気絶縁の影響に関する基礎的な研究を進め、解明を進めていく。まずポリエチレンフィルムに水トリーを形成させたときの劣化試験を行い、劣化過程におけるアセトフェノンの存在の有無が劣化状況に及ぼす影響を、高電界電気伝導を測定することによって検討した。「未貫通」「貫通」フィルムとも、測定条件によらず、アセトフェノンに浸漬した後劣化させたものは、浸漬せずに劣化させたものに比較して電流値が小さいことがわかった。同一条件における電流測定の結果が、試料の水トリー劣化状況を反映していると仮定すると、劣化過程におけるアセトフェノンの存在が、水トリー劣化を抑制することがわかった。次にブレンド量を検討した結果、結晶性の高いHDPEをブレンドすることで球晶半径が増大し、電界方向への水トリーの進展が妨げられるとともに、新たに導入されたHDPEとシラン架橋ポリエチレンとの界面に水がトラップされて凝集が起こりにくくなることが耐水トリー性向上の要因と考えられる。加熱変形性及び可とう性の観点から見たHDPEブレンド量には最適値があり、今回検討した範囲を大きく超えることは実用的でないことから、実用的な範囲ではHDPEブレンド量を増加させるほど耐水トリー性が向上することが示唆される。
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