研究課題/領域番号 |
13650358
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
淀 徳男 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (70288752)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2001年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | InN / Si基盤 / ECRプラズマ / 窒化物混晶 / 六方晶 / 結晶性 / プラズマ発光 / アニール / Si基板 / PL発光 / 立方晶 |
研究概要 |
本年度は良質なAlGaInAsN/Siの窒化物五元混晶を作製する為の前準備段階として、InN/Si、InNAs/Si、InGaNAs/Si等のSi基板上にInを含有した二元、三元、四元系の窒化物混晶成長において薄膜の結晶性向上のための基礎的検討を開始し、Inを含む窒化物系半導体の混晶結晶成長では基本的に高温成長できない為に、Inの含有量を増加するにつれ薄膜自体の結晶性が大幅に悪化してしまうという致命的な問題点が明らかになった。また、InNの二元混晶系でさえ8.5K以下の極低温下においてもPL発光が全く観測されておらず、窒化物五元混晶系の探索研究以前にこれらの問題点をまず解決することが先決であると判断した。まず、Si基板上にInNの結晶成長条件の最適化を検討し、250℃の低温でバッファ層を10nm作製した後、500℃で成長することと、成長中のECRプラズマ種からの357nmにピークを持うプラズマ発光線の強度を従来より2倍強くし、かつ391nmにピークを持つ窒素分子イオンからのプラズマ発光線の強度を非常に弱くしたプラズマ条件下で成膜を行うことによって六方晶系InN薄膜の結晶性を大幅に向上させることに成功した。また、成長直前にSi基板の窒化処理を行った場合には六方晶InNが主体的に成長し、薄膜自体の結晶性も大幅に向上するのに対し、窒化処理を行わない場合には結晶性が悪化し、アモルファス化することも明らかとなった。さらにこれらの結晶系の結晶性を改善するための手段として高温赤外線炉によるアニール実験を行った結果、アニール温度の増加によって結晶性が著しく向上することがわかったが、550℃以上の温度での高温アニールでは膜の表面モフォロジーが大幅に悪化することがわかった。これは、InN薄膜表面からのN原子の再蒸発に起因した現象であると考えられる。
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