研究課題/領域番号 |
13650359
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
杉村 陽 甲南大学, 理工学部, 教授 (30278791)
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研究分担者 |
安藤 弘明 甲南大学, 理工学部, 教授 (50330402)
稲田 貢 甲南大学, 理工学部, 教授 (00330407)
梅津 郁朗 (梅津 郁郎) 甲南大学, 理工学部, 助教授 (30203582)
パフロ バッカロ ATR環境適応通信研究所, 研究員
VACCARO Pablo ATR ADAPTIVE COMMUNICATION LABS., RESEARCHER
バッカロ パブロ ATR環境適応通信研究所, 研究員
パブロ バッカロ ATR環境適応通信研究所, 研究員
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 量子ドット / 自己形成型 / 電子輸送 / ドット間結合 / 光伝導 / 多体効果 / g因子 / ゲート / 磁場 / 共鳴ピーク |
研究概要 |
本研究は、高密度量子ドット系において、ドット間結合と電子間の多体効果が共に有効に作用して強い非線形特性が現れるような構造を探ることを目的としている。具体的には、InAs/GaAs自己形成型高密度量子ドット系における面内電子輸送特性について研究した。我々はこれまでに高密度量子ドットサンプルで光伝導の電圧依存特性を詳細に調べ、共鳴ピークを観測した。そしてその温度依存性のデータなどを解析し、このピークはドット面内を流れている電子によっている可能性があることを明らかにした。さまざまなドット密度のドット系を作製し磁場中での光伝導率を測定したところ、高密度ドット系において伝導率の電圧依存性に共鳴ピークが観測された。このピーク電圧の磁場依存性から有効g因子を導出したところ、バルクのInAsの場合に比べてかなり小さな値になるという結果が得られた。この結果の詳細な解析により、この共鳴ピークは量子ドットを通過した電子のもたらす電流であるとの結論を得た。光伝導現象では電子・ホール共にキャリアとなっており、現象が顕在化しにくいという可能性があるため、この系にゲートを設けて電子数を制御し、電子伝導の非線形性が得られる可能性について探索を行った。さまざまな層構造を持つ量子ドット系を作製し、表面および裏面にゲートを設けて試料を作製したが、明瞭な非線形特性は得られなかった。この理由としては、ドット間電子結合がうまく作用していない可能性や、ゲート構造が最適化されていない可能性があげられるが、基本的には量子ドット層は非常に薄く抵抗が大きいため平行に流れる電流に信号が隠されてしまうためであると考えられる。高密度量子ドット系の他の例として、ひげ状ポリマーで修飾したCdS半導体量子ドット系について研究した。光学特性を測定したところドット間で電子状態が結合していると考えられる結果が得られた。この系もドット間結合と多体効果が共に有効に作用して非線形特性を表す可能性があることが明らかになった。
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