研究分担者 |
荒木 純道 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (90016668)
阪口 啓 (坂口 啓) 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (80323799)
PHONGCHAROCNPANICH Chuwong KMITL, Thailand, Lecturer
KRAIRIKSH Monai KMITL, Thailand, Associate Professor
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研究概要 |
本研究では,屋内および屋外における時空間チャネル特性の標準的なモデルを作成することを目的として研究を実施した.具体的には,時空間チャネルサウンダとよばれる時空間伝送路特性を測定する計測器を用いた実測,レイトレースシミュレータとよばれる時空間伝送路特性を環境データベースから推定するシミュレータを用いた計算機シミュレーションの双方のアプローチにより,標準的な時空間チャネルのモデルを明らかにした.双方のアプローチとも,伝送路を幾何光学的なパスに分離し,パス毎のパラメタである送信アンテナからの出射角,受信アンテナへの入射角,伝送遅延時間,ドプラ周波数,パス損失およびその変動特性を推定する.本研究では,実環境で得られたこれらのパラメタおよびパス数に関する統計的な性質に注目し,標準的なモデルを作成した. レイトレースシミュレータでは,郊外地見通し内マイクロセル環境,市街地マイクロセル環境屋内環境におけるシミュレーション結果を,それぞれ実験結果と比較することにより,シミュレーションの妥当性を確認するとともに,新たに道路と電波到来方向が平行に近い場合の新しいシミュレーション法を提案し,性能の改善を図った. 時空間チャネルサウンダでは,MIMO(多入力多出力)構成に拡張する方法を検討し,2.45GHzでプロトタイプの試作を行い,動作を検証した.これと並行し,ベクトルネットワークアナライザとポジショナ・コントローラを用いた,屋内及び近距離無線通信環境用簡易型チャネルサウンダを試作した。後者のチャネルサウンダを使用し,屋内および高速道路環境において伝搬路同定実験を行った.また,壁面表面における散乱を精度よく測定することに成功した.
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