研究課題
基盤研究(C)
正整数のユニバーサル符号化、すなわち、任意の生起確率分布を想定した特に上限が限定されない正整数の符号化について4年間の研究活動を行った。成果は大きく2に分けられ、それぞれ更に2つに分けられる。1.数十や数千程度という実用的によく現れる範囲の正整数の符号化性能も良好なユニバーサル符号の研究では、(1)メッセージ長のグループ化に等比数列を用いることで、よく現れる比較的小さい正整数でも符号化性能が従来符号と同程度で、大きな整数での符号化性能として漸近的に最適という性質を有する符号を提案した。符号語が、長さ順、値順、辞書式順序を保存するという性質も有する。(2)画像のフラクタル表現において、アフィン変換のパラメータを正整数の符号化のグループ化方式によって分類する符号を提案した。復号側での収束計算結果の範囲を符号化側で推定できることから、収束範囲を制御することにより、従来不可能と考えられていた可逆フラクタル表現が可能であることを示した。2.現在理論的に知られている符号語長の限界に一層近づいた具体的な符号語生成を行うユニバーサル符号の研究では、(1)一定の範囲で計算誤差を許容する形で、数値計算を用いて符号語を割り当てる正整数符号を提案した。修正対数スター関数と呼ばれる符号語長のオーダーでの符号化を初めて可能にした。符号化と復号化の時間計算量のオーダーは、表わしたい正整数nに対して、理論上最小のオーダーのlog nである。(2)最も基本的な正整数符号であるLevenshtein-Eliasの符号に対して、符号語の各構成要素で高々1ビット修正を加えるだけで、ほとんど全ての正整数について、符号語長が対数スター関数よりも短いという性質を有する符号を提案した。
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The Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer'Sciences of The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers (印刷中)
The Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences of The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers (in print)
電子情報通信学会論文誌A J88-A,11
ページ: 1381-1391
110003501923
The Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences of The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers (Japanese Edition) vol.J88-A, no.11
電子情報通信学会論文誌A J86-A,1
ページ: 92-97
110003311560
The Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences of The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers (Japanese Edition) vol.J86-A, no.1
110003298148
The Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences of The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers E84-A,9
ページ: 2359-2366
The Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences of The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers vol.E84-A, no.9