研究概要 |
研究成果を下記に列記する. (1)シリコンウエハを均一加熱する高温加熱炉(〜1100K)を設計製作した.本装置を用いて3インチ径,0.5mm厚のウエハを大気中で約1100Kの高温に加熱できるようになり,放射測温の諸実験を開始した. (2)常温付近のシリコンウエハを均一加熱する装置を開発し,常温付近(〜373K)での放射測温の諸実験を開始した. (3)市販の薄膜測定装置(常温使用)を改造し,シリコンウエハを約1100Kまでの高温状態で酸化膜の光学定数と膜厚を測定できる装置(波長400〜1100nm)を開発した.本装置により,熱間オンライン実験が実施できるようになった. (4)シリコンウエハには熱電対を溶接できないので,表面温度をモニターすることが困難である.これを克服するためにハイブリッド型表面温度計の着想を得て,瞬時に表面温度を測定するオリジナルな計測手法を編み出した.今後,実用化を目指して開発を進める. (5)上記諸実験と並行して理論解析により放射率モデリングを試み,Siウエハ表面に酸化薄膜が成長するプロセスにおいて分光放射率が変化する様子をシミュレーションできるようになった.酸化膜厚が変化しても放射率が変化しない条件を見出した.(emissivity-invariant condition).実験との対応が今後なすべき課題である. 以上のような研究成果の一部はApplied Optics, Trans.of SICEなどの学術誌に投稿し,受理された.また,国際会議,国内学会の学術会議で16件発表した.また,ハイブリッド表面温度計,emissivity-invariant conditionなど新しい知見に対しては応用展開が見込まれるので,特許出願予定である. 本研究は,これまでの研究成果を基にして今後さらなる進展が期待される.
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