研究課題/領域番号 |
13650481
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
制御工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中尾 光之 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (20172265)
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研究分担者 |
片山 統裕 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (20282030)
山本 光璋 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (40004618)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 圧受容器反射 / 多変量自己回帰モデル / 閉ループ系 / 重力負荷 / インパルス応答 / 脊髄損傷 / 最適制御 / suquence法 / Mayer波 / 自己回帰モデル / パワー寄与率 / 心臓血管系 / 1 / fゆらぎ / 制御規範 / sequence法 |
研究概要 |
本研究では1/fゆらぎを遍く生ずるような心臓血管系の制御規範を明らかにすることを目的とした。まず、圧受容器反射ゲイン(BRG)の推定を通して、制御系の状態依存性を調べた。血圧から心拍変動への開ループ系を前提としたsequence法によって推定を行った。その結果、立位<ノンレム睡眠<レム睡眠<臥位の順にゲインが高かった。一方、重力負荷を与えるhead-uptilt試験では、tilt角度(重力負荷)が大きくなるほどゲインが低下するという逆説的な結果が得られた。また、多変量自己回帰モデル(MARモデル)をイノベーションで駆動して得られた時系列に対してsequence法を適用してBRGを求める方法を提案した(これをイノベーション法と便宜的に呼ぶ)。その結果、sequence法とイノベーション法で推定値に大きな違いはないことが確認され、方法論の違いによって評価量に差がある問題は解消された。血圧→血圧の閉ループ系インパルス応答は重力負荷の上昇とともに速くなることが明らかになった。同様な解析を脊髄損傷患者にも行った。その結果、上位脊髄損傷患者では制御系が不安定化していること、下部損傷患者では、健常者の制御系に近い応答を示すものが多いことが分かった。また、患者で0.05Hz付近の振動成分が著明に見られたことは、Mayer波生成メカニズムに関する新しい知見である。変数間の依存性の解析から心拍-血圧の結合が脊髄損傷によって失われた結果、制御系が不安定化したことが示唆された。重力負荷に対する応答は、末梢血管抵抗の制御や静脈還流量の振舞いを反映していることから、これらをモデル化することにより心臓血管系制御規範を求めることができる。さらに、心拍と交感神経活動を制御変数として持ち、血圧を被制御変数とする心臓血管系モデルを構築して、最適制御を行ったところ、心抽変動の1/fゆらぎは制御対象のゆらぎを許容しないような厳格な制御規範ではなく、ある程度の範囲内での逸脱を許すような緩やかなものである必要が示唆された。
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