研究概要 |
廃EPS熱減容インゴット破砕材をコンクリート用軽量骨材として有効利用する方法に関し検討した結果,以下の研究成果が得られた。 (1)インゴット破砕材を粗骨材として用いることにより,単位容積質量が1.76〜1.83t/m^3で,圧縮強度が15〜33N/mm^2程度の軽量コンクリートが製造できる。 (2)インゴット破砕材を粗骨材として用いたコンクリートは通常の軽量骨材コンクリートに比べ,同一圧縮強度におけるヤング係数が小さい。 (3)インゴット破砕材を粗骨材として用いたコンクリートの乾燥収縮は普通骨材コンクリートより大きいが,質量変化率と収縮ひずみの関係は普通骨材コンクリートの場合と同様な傾向を示す。 (3)インゴットの力学的性質は,廃EPSの種類やその減容処理条件の相違により大幅に異なり,圧縮強度およびヤング係数の最大値と最小値には,それぞれ4倍および2倍程度の差が生じた。 (4)インゴット破砕材を粗骨材として用いたコンクリートの力学的性質に及ぼすインゴットの力学的性質の影響は小さく,インゴットの種類に拘わらず,W/C=50%のコンクリートで,圧縮強度が22〜28N/mm^2およびヤング係数が1.0×10^4〜1.2×10^4N/mm^2の範囲となった。 (5)インゴット破砕材を用いたコンクリートは,普通骨材および人工軽量骨材の場合に比べ熱伝導率が大幅に小さくなり,またインゴット破砕材の体積分率を大きくするほど更に熱伝導率は小さくなる。 (6)インゴット破砕材の熱伝導率の低減効果は大きく,軽量骨材コンクリートにおいて軽量化と熱伝導率の低減または断熱性の向上を目的とした場合,骨材にインゴット破砕材を使用することは有効である。 (7)本研究で使用したインゴット破砕材を粗骨材として用いることにより,単位容積質量1.0t/m^3,圧縮強度6.0N/mm^2,連続空隙率25%程度の軽量ポーラスコンクリートの製造が可能である。
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