研究概要 |
本研究は,超高速列車走行による軌道構造物の安全性検討,列車-軌道構造物-地盤の動的相互作用系を対象に沿線環境振動を評価するため波動論,FEM, FEM-BEM解析から行い,信頼ある有効な振動予測法を与えることを目的としたものである.例題解析として,スウェーデン国鉄の拘束列車x-2000に関して,実測との比較で示した. 本研究の軌道-地盤モデルは,枕木配置から発生する振動数を考慮でき,計測データの良好な予測ができた.70km/hの列車速度では,同振動数は速度/枕木間隔の比の整数倍で予測される.この影響は速度応答に現われる.しかし,200km/hの速度となると動的な波動が発生して,枕木間隔による高振動数は無視できる程小さくなる.以上の振動発生・伝播現象を解明するためのコンピュータ・シミュレーション法の開発と,それによるパラメータ解析から当該波動場を事例研究において究明した. 列車からの振動伝播を制御する工法で,軌道直下に地盤改良工法を石灰岩杭で採用したケースを評価した.これは波動遮断工法(WIB)として有効であり,高速時の応答性状を低速時の様相に変えることができた.
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